− 費用について − 内装工事における【設計費(デザイン料)】って必要?
私たちは必要だと考えます。
我が社がオフィスや店舗の新装工事を請け負う際に、最も重要視しているのが、この設計費です。
お店の出店を計画する際に坪単価いくらという形で工事を請け負う例もあるかと思いますが、本来、坪いくらと言う考え方では絶対に信憑性のある正確な見積金額を算出出来るはずがありません。
お店の業態によっても初期費用はかなり異なってきますし、お客様の求めるプランの内容やグレード感、家具や器具の種類等でもコストは全然違ってきます。
私たちとしては、お客様にラフプランと詳細な項目の提示も無く、坪いくら等の概算見積りで工事を発注してしまうというのは非常に残念だと考えています。
もし、見積書に設計費という項目がなければどうでしょうか?
見積書に設計費という項目が記載されていなくても事実上設計コストはかかっています。しかし設計費と言う項目がないと、実際は項目には見えない部分で工事費にその費用が含まれているのではないかとか、実施設計や施工図を書かない状態で工事を行っているのではないか等の誤解を生んでしまいかねないのです。
そのような不透明な状態で本当にお客様の満足される良いお店が出来るのでしょうか?
もしかしたら、坪いくらでする仕事は坪いくらで出来るお店でしか無く、施工精度とコストパフォーマンスの低い、全然金額に見合わないお店となってしまうかもしれません。
この方法では、どこまでいっても予算内で出来る店としかならなく、付加価値をつけて新たな価値を生み出すような斬新な店舗プランやデザインのアイデアは生まれてきません。
なぜ私たちが設計費を費用としていただくのか。
設計事務所として、設計費を頂く以上、工事予算ありきの発想で計画をすることは無く、必ずお客様の立場で物事を考え、プラン・デザイン・コスト・工事の監理を行う。
そして常に新たな発想で新たな価値を見出せるように進めていくため、工事金額以上の価値を持ったお店を創造出来る。これにつきます。細かくあげると、
① 簡単なレイアウト図のみではなく、実施図となる平面詳細図・断面図・展開図・天伏図・電気、給排水等の設備図を作図して工事の実行予算を算出するので、詳細見積書が作成できる。
それにより正確な工事費用がわかり、オープンにお客様に工事内容・項目の説明ができ、適正な価格でのコストコントロールができる。
② 3Dイメージパースの作成により、お客様が完成のイメージをおおかた想像できるような形で、工事に着工することが出来る。
③ 一級建築士事務所として、建築士が建築基準法、消防法、福祉のまち条例などの法的なチェックも行うので、お客様やそこで働く人にとって安全で安心な空間を創ることが出来る。
また、あとから消防所や役所が検査に来て、指摘を受け是正工事に多大なる費用がかかる等のリスク回避も出来る。
これらの事柄が設計費に含まれています。
以上のことから、お客様にとって重要な費用というコスト面とよりよい空間づくりという効果面において私たちは設計費というものの価値を理解して頂き、そのための打ち合わせの期間を十分にとって頂き、お客様と一体となってよりよい店舗づくりを行うために内装工事における設計費が必要だと考えるのです。